
アーサナ(ポーズ)に出てくるサンスクリット_動物編
アーサナ(ポーズ)名にさまざまに登場する動物の名前。これは、その動物からイメージされるエネルギーをまとってみようということで名づけられている。例えば、ネコのポーズなら、ネコの柔軟性やしなやかな雰囲気をアーサナへのせてみるのだ。ぜひ、やってみよう。
ここでは、クラスでよく出てくる動物のサンスクリットを紹介。
Contents
ゴー「牛」
こんな生物:
インド人とゆかりの深い動物。 道路では車よりもゴーが優先。宗教的に神聖な動物として崇められている。ヒマラヤのふもとには、ゴームクという聖地があり、巡礼に訪れる人数知れず。
発音のコツ:
レッツゴーの「ゴー」と同様に、ガ行の「ゴ」の音を伸ばす。シンプルに日本語らしく発音することがコツと言えばコツ。
ガルーダ「鷲」
こんな生物:
くちばしが鋭く、狙った獲物は外さない。昔から鳥の王者とされ、ローマ帝王やナポレオン、 イギリス王室の紋章に使われてきた。現在でも、アメリカ合衆国やフィリピンの国鳥とされる。
発音のコツ:
「ル」はここぞとばかりに、巻き舌にして強く発音。インドのヒンディー語とサンスクリットの音は同じで「ル」が特徴的だ。その他は日本語読みではっきりと言う。
マールジャーラ「猫」
こんな生物:
気まぐれだけど、憎めない動物。 人になつくため、世界中でかわいがられているペットの代表格。西洋のおとぎ話では、黒いマールジャーラが魔女の使いとして登場することしばしば。
発音のコツ:
一番のポイントは、「ル」を巻き舌にして強く発音すること。この巻き舌が入ることによって、サンスクリットにぐんと近づく。その他の音は日本語読みと同様、はっきり明確に。
カポータ「鳩」
こんな生物:
古代から通信用の動物として盛んに使用されてきた。方向感覚に優れ、元の巣に帰る本能がある。群れを成す性質から平和の象徴とされる。この動物にちなんだ童謡もある。
発音のコツ:
日本語読みで、カポータと明確に発音しよう。カポータは「タ」で終わっている。母音が「あ」行なので、後ろにアーサナとつける場合は、カポーターサナ(カポータ+アーサナ) になる。これをサンディルールと言う。
クラウンチャ「アオサギ」
こんな生物:
川や水田で魚やカエルなどを補食する。コウノトリやツルのように長い脚と首、くちばしが特徴。水鳥の仲間で雪客(せっか く)という別名も。体色は多く が灰色から白、黒色もある。
発音のコツ:
英語の「クレーン」(起 重機)の語源でもある。特筆すべき発 音のポイントはない。そのままシンプ ルにクラウンチャと発音してもらえれ ばいい。サンスクリットの子音と母音 は日本語と同じ。
ブジャンガ「コブラ」
こんな生物:
首のフードを広げて敵を威嚇する。超一級の猛毒を持ち、人間はもちろん、ゾウやトラもひと噛みで殺してしまう。エジプトのクレオパトラはこの動物で自殺を謀ったと言われる。
発音のコツ:
この言葉はすべて日本語で使われている音のみでこと足りる。カッコをつけず、単純にブジャンガと発音すれば、それだけで立派なサンスクリットに。日本語を話せるというのはラッキーなこと。
ウシュトラ「ラクダ」
こんな生物:
砂漠地方でよく見かける動物。背中のコブには脂肪が入っていて、エネルギーを貯蓄している。 汗をほとんどかかない。水を飲まなくても数日間は耐えられる。酷暑と乾燥に強い。
発音のコツ:
「シュ」だけを巻き舌風に発音すると十分にサンスクリットっぽくなる。その他は日本語読みではっきりと発音するといい。アーサナ名ではウシュトラーサナとつなげて言う。
クールマ「カメ」
こんな生物:
世界中の伝説や神話に登場する。日本では吉兆や縁起物として、長寿の象徴や夫婦円満の象徴に使われてきた。浦島太郎では重要な動物として書かれている。動きが遅いのんびり屋。
発音のコツ:
「ル」は口の中で思い切り巻き舌にして、強く言う。「ク」と「マ」は日本語読みではっきりと発音し、三つの音をつなげる。クールマーサナとすれば、よりハイレベルなサンスクリットに。
ベーカ「カエル」
こんな生物:
雨が降ると見かけることが多い。ぴょんぴょん跳ねて移動する。多くの俳句や歌に詠まれ、親しまれてきた。水田が多い地方では夏にいっせいに鳴き出し、大合唱が聞こえる。
発音のコツ:
ベーカとわかりやすく発 音すれば、それだけで十分にサンスクリットだ。アーサナ名をよりプロっぽく発音するなら、ベーカ・アーサナとは言わず、ベーカーサナとつなげるべし。
マツヤ「魚」
こんな生物:
水がないと生きていけない。世界中で食材として捕えられ、生で、焼いて、蒸して、揚げて食べることができる。特に、日本のファストフード、寿司には必須の食材。
発音のコツ:
マツヤの発音では特に注意するポイントはない。マ・ツ・ヤと鮮明に発しよう。ヤの母音は「あ」なので、アーサナ名ではマツヤーサナ(マツヤ+アーサナ)となり、サンディルールが働く。
マユーラ「クジャク」
こんな生物:
大きく鮮やかな飾り羽を持つのはオスで、扇状に開いてメスを誘惑する。インドでは国鳥。「イヤーン、イヤーン」と甲高い声で鳴く。麻雀牌の絵柄にもなっている。
発音のコツ:
日本語を読むようにはっきりとマユーラと発しよう。マユーラの最後の母音は「あ」なので、アーサナ名にする場合はサンディルールが適用され、マユーラーサナとなる。
サンスクリットの発音は日本語とほぼ同じ。子音と母音の組み合わせで成り立っているので、はっきり発音すればきれいなサンスクリットになる。恥ずかしがらずに声に出してみよう。
出典:『Yogini』Vil.76
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