
平和と喜びをいつも心に持つ生き方を説いたパラマハンサ・ヨガナンダ
1920年代、30年代にアメリカで真理を説き続けたパラマハンサ・ヨガナンダ。愛に満ちたその教えは、多くの人々を覚醒へと導いたのだった。
予言者に「人々を覚醒させる」と
スティーブ・ジョブズの葬儀で参列者に配られたiPadに、彼自身が唯一ダウンロードしていた本が『あるヨギの自叙伝』だった。このヨギこそ、パラマハンサ・ヨガナンダだ。1893年、インドのベンガル地方で生まれたヨガナンダは、子どものころから霊性に目覚め、予言者に「将来、彼は多くの人を覚醒させる」と言われている。その後、シュリ・ユクステワと出会い、彼は真の覚醒をする。
多くの人をトリコに
1920年に渡米。アメリカで暮らした最初のグルとして、ヨガの真理を、科学的な視点から伝える。紆余曲折がありながらも、予言通り各地で多くの人々を目覚めさせていった。ビートルズのジョージ・ハリスンもヨガナンダの著書を読んで、衝撃を受けた一人。「あの本がなければ、今の私はいません」とジョージは語る。
写真協力=三雅
「神は背骨におられる」
ヨガナンダは「神は背骨におられる。すべての光と影でできている。(私達の)目的は光にたどり着くこと」と話す。彼が伝えている真理は、人は神である、ということ。大いなるブラフマン。私達はブラフマン=“絶対なる真理そのもの”の一部だと話す。そして、光にたどり着く方法は瞑想であり、背骨を伸ばして座るためにハタヨガを推奨している。
平和を願い、祈る
1945年、原爆投下を知ったヨガナンダは、こう伝えている。「物質のエネルギーよりも強力な心のエネルギーを、人間を解き放さないとならない」。私達が人生で学ぶべきこととしては「人生で多くの試練の波をうまく航海する方法は、どんな時も、心に平和と喜びをたたえていることなのです」。
人の罪とは無知であることだと、ヨガナンダは語る。真理にたどり着くためには、無知から目覚め、愛を知ること。一人でも多くの心の平和を体感し、それを共有していくことが、ヨガナンダから私達が受け取ったバトンなのだ。
合わせて読みたい
『あるヨギの自叙伝』(発行/三雅 発売/森北出版)
『パラマハンサ・ヨガナンダとの対話』(発行/発売 星雲社)
出典:『Yogini』Vol.50