ヨガではマインドという言葉がよく出てくる。しかし、その意味はとてもあいまいで、会話する二人が同じ意味で使っているかどうかは確認してみないとわからない。日本語と英語、そしてサンスクリットも混じってくる中で、ヨガにおけるマインドとはどういう意味で、どんな価値を持った言葉なのか。あいまいになっている部分を丁寧に一つひとつほどきながら、日常で使いやすくなるよう解説していく。ヨガという視点から、意識とのつき合い方を巡る冒険を始めよう。
ヨガでいう「マインド」とは何なのか?
今回編集部では、マインドを「意識」と考えた。しかし、意識もまた、顕在意識と潜在意識、ヨガでは「意識の場」という側面まで広い意味がある。顕在意識には心も思考も集中も入り、潜在意識にはトラウマも無意識の欲求も入る。とにかくマインドの領域はとても広い。そんなマインドについて、ヨガでは、どういう意味であり、どう扱っているのかが今回の主題。そして、ここでもやはりマインドの捉え方にさまざまあることがわかってくる。それはサンスクリットでヨガの哲学が構成されているからで、そのサンスクリットの解釈は、ニュアンスの違いや捉え方の幅広さ、深さでイメージも意図も変わってしまうからだ。ともすれば、迷宮入りしそうなテーマを、ヨガを深める先人達に灯りをともしてもらいながら、深い世界観を図解にして、極力簡単な言葉で表現し、時に迷路を歩くような気持ちで探っていく。
第2特集は笑う力を使った新しい視点のヨガ
綿本彰先生が考案した、笑い呼吸法、笑い瞑想法。笑う時に使う筋肉やエネルギーがいかに呼吸や瞑想に向いているかを解説、実践方法を紹介していく。わかったのは、笑いはヨガの身体操作を自然にできる優れたスキルだったということ。その笑いを意図的に行うことで、ポーズ、呼吸法、瞑想をより深めていく方法を紹介。
“蝶のように舞い蜂のように刺す”モハメド・アリの偉大な生涯
1996年のアトランタ五輪、静まりかえった会場で聖歌の点灯に現れたのは、モハメド・アリだった。集まった観衆はもちろん、世界中を興奮されたスーパースター。ボクサーであるアリがヨギス(ヨガをする人)? 最高・最強のボクサーだったアリはアメリカの公民権運動と深くかかわり、生涯をかけて人権と平和のために活動していた。彼の深く強い意志と生き様は、読んだ人の人生に大きな影響を与えるほどの輝きがある。