
どんどん透明になる! チャクラの詰まりを取って“プラーナダイエット”
ヨガのアーサナの目的は、単に体を動かすことではない。呼吸を介してプラーナ、つまりいいエネルギーを全身に巡らせるというのも大事な目的な一つ。
今回は、滞ったエネルギーを浄化して、内側から心身を磨く“プラーナダイエット”がテーマ。良質なプラーナを全身に巡らせて、心身ともにスッキリし、活力を取り戻そう!
チャクラが輝けば活力あふれる心身に
ヨガが大切にしているのは、目に見える肉体の浄化だけではない。目に見えないエネルギー、つまりプラーナの流れを浄化することこそ大事だと考える。
そのためにはプラーナの出入り口であり、エネルギーセンターとも称される七つのチャクラが開いていること、つまりチャクラ周辺の肉体が整っていることが重要になる。その時に初めてプラーナが滞りなく流れ、心身ともに健やかで活力に満ちている状態になる。
ところが、毎日デスクワークをしていたり立ちっぱなしだったりと、同じような生活パターンを繰り返していると、どうしても特定のチャクラが詰まりがちになってしまう。
骨格がズレたり、筋肉が凝りかたまったりすれば、体にいろいろな不調が出るだけではなく、当然、そこにあるチャクラは詰まりやすくなり、エネルギーも低下してしまう。
例えば、筋疲労から来る肩コリは頭痛を引き起こし、それが精神的ストレスになる上、上部のチャクラが閉じる原因にもなる。
ここでは、七つのチャクラにそれぞれ対応している筋肉を使うポーズと、その筋肉を使うことで解消さる不調を紹介していく。
もしも今、抱えている不調があるならば、それに対応したポーズを、ターゲット筋肉を意識しながら取ってみよう。筋肉を動かすことで輝きを失いかけていたチャクラが開き始め、活力が満ちていくのを感じられるはずだ。
第一チャクラ
Contents
- 1 骨盤底筋群を鍛えて子宮、膀胱まわりを快適に
- 1.1 【ターゲットの筋肉】
- 1.2 【対処できる不調】
- 1.3 【オススメのアーサナ】
- 1.4 鷲のポーズ
- 1.5 思考のエネルギーを行動に腹筋を使って腹圧をかけて
- 1.6 【ターゲットの筋肉】
- 1.7 【対処できる不調】
- 1.8 【オススメのアーサナ】
- 1.9 船のポーズ
- 1.10 心の変化をもたらす力胸を開いて呼吸を深めて
- 1.11 【ターゲットの筋肉】
- 1.12 【対処できる不調】
- 1.13 【オススメのアーサナ】
- 1.14 英雄のポーズⅠ
- 1.15 肩甲骨を動かして過去と未来の対話を促す
- 1.16 【ターゲットの筋肉】
- 1.17
- 1.18 【対処できる不調】
- 1.19 【オススメのアーサナ】
- 1.20 扇のポーズ
- 1.21 過度な緊張を緩め、事象の向こう側を見抜こう
- 1.22 【ターゲットの筋肉】
- 1.23 【対処できる不調】
- 1.24 【オススメのアーサナ】
- 1.25 ライオンのポーズ
- 1.26 本質を悟るエネルギー緊張している頭部を緩めて
- 1.27 【ターゲットの筋肉】
- 1.28 【対処できる不調】
- 1.29 【オススメのアーサナ】
- 1.30 ウサギのポーズ
股関節まわりと下肢を整え“動物”としての能力を発揮
体の健康や生殖機能など、動物としての本来の能力を発揮させてくれるのがムーラーダーラーチャクラのエネルギー。体を支える土台となるこの部分を安定させて、第2チャクラの骨盤底の安定にもつなげよう。
【ターゲットの筋肉】
梨状筋(深層外旋六筋群)、臀筋群、大腿筋膜張筋、大腿四頭筋、ハムストリングス、内転筋群
【対処できる不調】
股関節痛、臀部痛(仙腸関節痛)、下肢関節痛、座骨神経痛。体を支える土台の股関節と下肢の筋肉を安定させることが大切。
【オススメのアーサナ】
四の字チェア
軽く曲げた左ヒザの上に右足首をのせ、右ヒザを外に開く。右足首は90度に曲げ、イスに座るような気持ちで左ヒザを曲げ、お尻を落としていく。右の太モモを股関節から外旋させると股関節にスペースが生まれる。
第二チャクラ

骨盤底筋群を鍛えて子宮、膀胱まわりを快適に
スヴァーディシュターナチャクラは自分の体の状態を感じ取る力。骨盤底筋群、言い換えれば「膣の中側の吸引力」を鍛えて、骨盤内の臓器に働きかけたい。
【ターゲットの筋肉】
骨盤底筋群(球海面体筋、外尿道括約筋、坐骨海綿体筋、深会陰横筋、恥骨直腸筋、恥骨尾骨筋)
【対処できる不調】
生理痛、腰痛、膀胱炎、尿漏れ、痔。生理痛は膣の吸引力によって子宮壁を動かすような感じで、痛みを受け流してみて。
【オススメのアーサナ】
鷲のポーズ
両手を胸の前で合わせた鷲のポーズ。骨盤は後傾させ、恥骨と胸骨を近づけていくような気持ちで尾骨を前側に丸め込む。太モモの骨を股関節から外旋させると、骨盤内にスペースが生まれる。
第三チャクラ

思考のエネルギーを行動に腹筋を使って腹圧をかけて
体で感じたことと心で感じたことをつなげ、思考のエネルギーを身体的な行動に変えていくのがマニプーラチャクラ。腹部の筋肉を使って腹圧を高めたり下げたりすることで、腸管をマッサージしよう。
【ターゲットの筋肉】
横隔膜の腹腔側、腹筋群(腹直筋、腹斜筋、腹横筋)、腰背部筋群、腸腰筋
【対処できる不調】
便秘。腹部の筋肉を使って腹圧が高まると、マッサージ効果で腸管がギュルギュルと動き出す
【オススメのアーサナ】
船のポーズ
手で床を支えた船のポーズ。脚を高く上げようとするよりも、背骨を伸ばして腹部をキュッと引き上げるような意識を持って。手の甲で空気を押し下げるようにしながら、肩甲骨を寄せていくと安定する。
第四チャクラ

心の変化をもたらす力胸を開いて呼吸を深めて
アナーハタチャクラは、愛だけでなくマイナス感情も含めた、心の変化をもたらすエネルギー。胸を開いて呼吸を深め、メンタルから来る不調を整えよう。
【ターゲットの筋肉】
呼吸筋群(横隔膜の胸郭側、肋間筋)、斜角筋、胸鎖乳突筋
【対処できる不調】
ストレスから来る下痢、肩コリから来る背中の痛み、冷え性、浅い呼吸。位置的には腎臓だが、メンタルへの影響が大きい。
【オススメのアーサナ】
英雄のポーズⅠ
左右のつま先はできるだけ正面に向け、前のヒザは直角を目指して曲げる。両手は横に大きく開き、デコルテを見せるような気持ちで胸を大きく開く。
第五チャクラ

肩甲骨を動かして過去と未来の対話を促す
過去と未来を会話させることで、今何をすべきか見つけ出す力を持つのがヴィシュッダチャクラ。肩甲骨を動かして肩関節のポジショニングを整えたい。
【ターゲットの筋肉】
前鋸筋、菱形筋、広背筋、僧帽筋、肩甲挙筋
【対処できる不調】
肩コリ、五十肩。肩コリが肩甲骨と頸部の間の不具合なのに対し、五十肩は肩甲骨と上腕骨の不具合。
【オススメのアーサナ】
扇のポーズ
右足を伸ばし、左足裏を右モモの内側につけて前屈したジャーヌシールシャーサナの状態から、へそ、みぞおち、デコルテを開くように右肩甲骨を開き、上体を起こしてくる。
第六チャクラ
過度な緊張を緩め、事象の向こう側を見抜こう
観察し、目に見える現象の向こう側のエネルギーを見るのが、アージニャーチャクラが持つ力。緊張をほどいて心身ともにリラックスさせよう。
【ターゲットの筋肉】
表情筋、眼の筋肉、脊柱起立筋(重力に対して体を支える)、肩甲挙筋
【対処できる不調】
眼精疲労、偏頭痛。偏頭痛は血管が拡張し脳が圧迫されて起こる。表情筋、頭皮から背中を緩めて。
【オススメのアーサナ】
ライオンのポーズ
酸っぱい梅干を食べた時のように顔をしわくちゃにし、眉間にもしわを寄せる。そこから一気に口を大きく開けて舌を全部出し、目もパッチリ見開く。恥ずかしがらずに顔の筋肉を全部使って。
第七チャクラ

本質を悟るエネルギー緊張している頭部を緩めて
サハスラーラチャクラは、ものごとの本質を悟るエネルギー。緊張している頭部の筋群や頭皮をもみほぐして緩め、本来持っている力を発揮しよう。
【ターゲットの筋肉】
咀嚼筋(側頭筋含む)、頭部の筋肉、脊柱起立筋(頭部の筋肉とつながっているので)
【対処できる不調】
頭痛。偏頭痛ではなく頭部全体の緊張から来る頭痛は、頭部を緩めることでラクになる。
【オススメのアーサナ】
ウサギのポーズ
チャイルドポーズから頭頂をマットに着き、お尻を持ち上げる。頭に全体重がかからないように両手のひらで支えながら、頭を前後に優しく動かし、30秒ほどマッサージ。
教えてくれた人=Koumei
こうめい。理学療法士、健康運動指導士、ヨガ歴25年。障がい者から芸能人、プロアスリートまで老若男女への指導経験を持つ。現在はオランダを拠点に「ケガをしない・させないヨガ」のオンライン配信をはじめ、精力的に活動を続け、世界中から13000人以上が参加する。https://koumei.yoga
写真=樋口勇一郎 モデル=金海ミユ 文=Yogini編集部