
[The yogis magazine]Vol.9_編集部雑感「本の企画はなぜかシンクロする」
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特集の内容、どう攻める?
Vol.9の特集は「アーサナから導くヨガの深み」です。このメインテーマはアーサナから瞑想状態(深み)へ入っていくために、アーサナの中にどんな仕掛けがあるかというところ。…と簡単に言ってますが、ここに至るまでにはやっぱり長々と考えている時間がありました。
アーサナから瞑想へ、アーサナを瞑想的に取る、アーサナそのものが瞑想にのる…。では、アーサナの何を取材したらいいんだろう?
過去にアーサナの話を何度もしているし、やり方を説明する企画にしてもつまらないのでは? やり方は誌面では伝えきれないことも多く、特に今回のテーマは写真でシークエンスをとっても実感がわきづらいのでは? としたら何?
で、考えたのがいろいろな流派に話を聞くこと。なぜ、流派ごとにアーサナのアプローチは違うのか? それぞれにコンセプトがあるけど、どんな意味があって、ヨガの深みは入る仕掛けを作っているのか? ヨガのゴールは同じだけど登り方が違う、とよく言われることそのものを取材したら面白いのではないかと考えたんです。
流派のこと、よく知らなかった!
よくよく考えたら、こんなに流派のコンセプトをしっかりと説明して、しかもいくつもの流派を並べるのは、本誌の前身である『Yogini』のVol.1以来⁉︎ 私自身、よく知らないこともあるから、取材も楽しそう!となったんです。
実際、すごく違ってました。たくさんの取材をしなくちゃいけないから、なかなか大変だけど、比べるからわかることがいっぱい。本当にゴールまでのルート、違うんだなって。言い換えると、だから誰でもヨガはできるんだと思いました。
しかも、第二特集は『バガヴァッドギーター』。ここには、アーサナを取らないヨガの種類が出てきて、それを説明してる。アーサナをしなくても、ヨガのゴールにはいけるんだよと言ってる本だから、第一特集と対比されてるし、並走してるし。この組み合わせは、組み合わせとして考えたわけじゃなくて、たまたまこの二つ。それぞれを進めて俯瞰したら、そういうことだったんです。
本作りの醍醐味は企画をまたいだシンクロ
本作りのおもしろいところは、こういうシンクロが起こること。連載なんかも、別の動きをしているのに、話を聞いてみたら根底のところで特集のコンセプトと同じことを言ってたりすることが多いんです。引き合ってるんだなと思う。
だから今号は、どの登山ルートでいきますか? ということが結果的に大きなテーマになってるのかもしれない。どうだろう?(編集部 大嶋朋子)