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ヨガのインストラクター養成講座200時間で何が学べるの?

インストラクター資格獲得の基準は200時間

 

ヨガに出会って、その効果を実感すると、たくさんの人が「これを伝えたい」と思うようになる。ヨガはさまざまな悩みに対して効能があるので、この思いは自然な成り行きなのかもしれない。

インストラクターの仕事はヨガを伝えることだ。以前は資格ではなくて、ヨガを深めた人がその経験を共有していくという形で伝わっていることが多かった。歴史をさかのぼれば師匠と弟子のような関係で伝授していたからだ。しかし、後年、質を担保するために資格化され、最近ではある程度のレベルに達するまでの時間を、まず200時間と考えるようになった(全米ヨガアライアンスの基準。「RYT200」とも言っている)。もちろんそれでは足りない、もっと学びたいと思えばステップアップすることができ300時間、500時間などの基準が設けられている。

では、RTY200では何が学べるのだろうか?

 

 

全米ヨガアライアンスへの取材

 

なぜ200時間なのか。『Yogini』では2020年11月に全米ヨガアライアンスに取材している。

 

Q 200時間である理由は何ですか?

A ヨガアライアンスの設立当時、ヨガの学びで渡印していた人の勉強時間に由来しています。ただし、今後、予定される新基準では、よりカリキュラムに充填を置く内容に変更される予定です。

 

Q 200時間の内訳を教えてください。

A 技術・トレーニングと実践(ポーズ、呼吸法、瞑想など)に75時間解剖学・生理学に30時間ヨガ人類文化学(哲学など)に30時間専門家としての必須科目(ティーチング、アジャストなど)に50時間という基準があり、以前は各校に内容をまかせていた選択科目は15時間あります。

 

Q 200時間で得られるものは何ですか? 時間としては十分ですか?

A 登録数の基準を大幅に強化したことで、全体の統一を図り、クオリティを維持するとともに、登録メンバーが提供するスキルや知識における安全性、信頼を高めています。ただし、修了後も学びは続けるべきだと考えます。

 

 

スクールやスタジオでの学びの実際

 

実際にRYT200を実施しているスクール、スタジオではどんなことを学べるのか、『Yogini』Vol.79(2020年11月現在)のアンケートから、一部さらって紹介しよう。

【ヨガジェネレーション】
60〜90分程度の基本クラスにおける必要なアーサナはすべて習得できるようになる方が多いです。ヨガとは何かを本質的に理解することを重視し、人、モノ、コトに対するスタンスが大きく変化し、ヨギーとして、人として、ひと皮向けて成長する方が多いです。

 

【ヨギー・インスティテュート】
指導者としては40ポーズのティーチングができ、ヨガを包括的に表現/伝える指導者になるように指導しています。哲学では古来からの教典である『ヨーガ・スートラ』や『バガヴァッド・ギーター』の重要な教えがしっかり会得できるように伝えます。

 

【UNDER THE LIGHT YOGA SCHOOL】
基本の50のアーサナとサンスクリット名を習得。肉体的にはもちろん、アーサナへの取り組み方も変化します。哲学が初めて学ぶ方が多いですが、各ステップで小テストを行い、ヨガの全体像や世界観を習熟できます。

 

【YMCメディカルトレーナーズスクール】
自分の心や体の動きに対し、必要なアーサナや種類がわかるようになります。指導者としては、生徒さんの快適なレベル・いい塩梅探しができる、安心・安全なクラスの提供ができることが目標です。

 

【Studio+Lotus8 by Yogini】
二人のリードティーチャーによって、エレルギー的な方法、解剖学重視の方法と2種類のアーサナの取り方を学べます。また哲学を重視し、ヨガを基に自分と向き合い、探っていく方法を学びます。『Yogini』編集部がプロデュースしているために、ヨガ界全体を俯瞰した情報や視点の持ち方、コミュニケーションのクラスも設け、“ヨガの人”としてのステップアップを目指しています

 

RYT200と言っても、スクールやスタジオの理念、目指すところ、提供の仕方によって、内容はさまざまだ。自分はどんなインストラクターになりたいのか。ヨガとどういうつき合い方をしたいのかをじっくり考えて、養成講座を選び、学びを深める道を目指すことは、今後のヨガとのつき合い方を考える上でとても重要だ。