あなたにはどれが合う? 瞑想の種類を徹底解説!

ヨガや仏教には、目的に合わせてさまざまな瞑想方法が存在する。今回は代表的な瞑想の種類とそれぞれの方法と特徴について解説していく。

 

先生の指導の下で経験を重ねながら、自分に必要な瞑想法を見つけていこう。

 

ヴィッパーサナ瞑想

 

ヴィッパーサナとは「ものごとをありのまま見つめる」という意味。インドで最も古い瞑想法の一つで、約2500年前にゴーダマ・ブッダによって再発見された。

 

近年になって、ミャンマーに伝わっていたこの瞑想法が、S・Nゴエンカ氏によって世界80カ国以上に広められた。方法は、心に起こることを判断せず、感情や感覚を噛み締めること。そして、次に起こる心の動きを同じように感じる。

 

トラタク瞑想

 

トラタクとは、もともとはハタヨガの浄化法の一つ。ロウソクの炎を見つめて、心を落ち着かせる瞑想方法だ。

 

リラックスした状態で座り、1〜2m離れた場所にロウソクを置き、目の高さに備えておく。火をつけてこの炎に集中し、自然な呼吸で心を落ち着かせる。部屋の明かりを落として、炎の明るさだけにするとより集中しやすい環境を作れるはず。火の扱いには十分注意しよう。

 

TM瞑想

 

TMとはトランセンデンタル・メディテーションの略で「超越瞑想」という意味。物理学者で哲学者でもあるマハリシ・マヘーシュ・ヨーギーによって世界に紹介された。

 

方法は床やイスに腰かけてリラックスし、あるシンプルなマントラを心で唱えるだけ。心身の深い休息を得られ、自分の能力を存分に生かせる状態に導かれる。1日20分程度を1〜2回行う瞑想法だ。

 

脈拍瞑想

 

一つの対象に意識を向けて、五感を集中させ、雑念から解放されていく方法。ここでは自分の脈拍に意識を傾ける。

 

安楽座になり、目を閉じたら、右手の4本の指先を左手首の内側に当てて、自分の脈拍を感じ取る。その脈拍に合わせて「サット」、「ナム」というマントラを心の中で唱える。これを5分間繰り返し、集中状態とマントラで心を静めていく。

 

ヤントラ瞑想

 

ヤントラとは“神聖幾何学図形”のこと。具体的には縁や三角、棒などを組み合わせて星や十字、タオの形を作り、イメージをわかせていく。

 

瞑想の方法は、まずは遠くを見るように焦点を合わさず、ふんわりした意識でヤントラを眺める。目を閉じ、ヤントラをイメージのスクリーンに5〜15分ほど再現する。イメージがわいてきたら、そのままそこに意識を向け続ける。

 

数息観

 

インドから中国、そして日本に仏教とともに伝来した、呼吸に意識を集中させる瞑想法。今も禅寺などで、坐禅を組んで行われている。

 

一般的な方法は、安楽座になって半分目を閉じ(半眼)、ゆったり呼吸をしながらあるがままの自然な呼吸を観ていく。例えば、自分が深い呼吸なのか浅い呼吸なのか、吐くと吸うでは長さが違うのかなど、その様をただ観るだけ。

 

 

ヨガニドラ

 

ガイドに従い、イマジネーションを駆使して行う瞑想法。まず仰向けになり、シャヴァーサナの体勢を作る。体の緊張を緩めるボディリラクゼーションを行った後、体の細かい部分に意識を向けながら、心身ともに深いリラクゼーションを体験していく。

 

阿字観瞑想

 

真言密教の瞑想法の一つ。「阿」という文字に向かって瞑想する。静かな場所で姿勢を正し、呼吸を整えて結跏趺坐(けっかふざ)になり、手を坐禅の時と同様に丸く組む。

 

「阿」という字を心にとめて、これを徐々に大きくしていくイメージをする。自分の住む町、次に都道府県、日本、地球、宇宙空間全体へと広げていく。そうしながら自分と対話し、仏を感じ、自分が宇宙と一体化していることを感じていく。

 

坐禅

 

禅の目指すところは「解脱(げだつ)」。そのために行うのが坐禅だ。座り方は結跏趺坐(けっかふざ)または、慣れないうちは半跏趺坐(はんかふざ)でもOK。

 

足の上に両手を組んで置くが、右手の上に左手を重ね、親指同士をつける。手のひらで横向きの卵を作るイメージの法界定印(ほっかいじょういん)。目は閉じず、約1m先、45度前方の床に視線を落とす。上半身を振り子のように振ってから、口を細く開け、大きく息を吐き、そのまま微動だにせず座る。

体は寝ている状態でありながら、意識だけが起きている状態でイマジネーションを進めていくので、瞑想の練習としても活用できる。

 

自分に合った瞑想を探究

 

瞑想とひと口に言っても、対象物や座り方、手の組み方などさまざま。あまり身構えずに一つの瞑想法を決めたら、しばらく継続してその瞑想との相性や効果を検証してみよう。

 

瞑想はすぐに効果がでるものではない。気長に無理なく続けられる瞑想法を焦らずに模索していこう。

 

文=Yogini編集部