生理の話をオープンにできるようになってきた。そして、その時期をより快適に過ごせるアイテムやアイデアが増えてきた。
今回は、テクノロジーの力で、女性ならではの悩みを解決する“フェムテック”なアイテムの一つ、高機能吸水型サニタリーショーツについて、その魅力を紹介。

女性ならではの悩みを共有する時代へ

最近、生理についての話がオープンになってきた。女性だけのもので、男性には聞かせたくない話で、でも毎月のことで病気ではないから、何だか体も心も苦しいと感じていても、女性同士でもあまり会話にできない雰囲気があり、積極的な行動や相談などがしづらい…。きっと、こんな話をするのは女性として恥ずかしいこと…。そういう風潮がつい最近まであったが、ここ数年で、急激に風向きが変わってきた。

生理前や生理中に起こる心身への変化や不調は多岐にわたり、それに対して実に多くの女性が悩んでいたということが、お互いにわかったのだ。そう、これは「生理がツラいって言っていいんだ！」ということを、女性同士が共有し始めた革命でもある。女性達はいかに生理中を快適に過ごすのか、真剣に模索し始めた。

テクノロジーの力で生理の概念を変えていく

その一つが布ナプキンであり、ピルの服用だった。そして最近、大注目を浴びているのが、吸水型サニタリーショーツ。繊細な時期に、繊細な部分に触れるものの質を見直した結果、従来のものでは納得できなくなっている人が増えてきたのだ。さらに、「生理の貧困」もテーマとしてある。これは経済的に生理用ナプキンが手に入らないことから交換しない（できない）、という女性達の深刻な話。

NPO法人「プラン・インターナショナル」が、15〜24歳の日本女性2000人を対象に行った調査では、「生理用品が購入できなかった・ためらった」という回答が36％も寄せられている。また、サステイナブルなファッションを考える『エミ』からも吸水サニタリーショーツが発売されるなど、環境問題への期待も高まっている。

吸水型サニタリーショーツは、これらの問題を解消するための救世主になり得るショーツだ。クロッチ部分を中心に、吸水や防水生地を重ねてあり、ここに月経血が吸収されて保持される。ただ、使ったことがない身からすれば、「本当に漏れない？」という不安を感じるのは当然だろう。多くの女性が、一度は月経血で衣類を汚した経験を持つはずだから。そんな疑問に対して、吸水型サニタリーショーツを世に送る「フランデランジェリー」の商品部長・奥村登代さんはこう語る。

「私は2年以上はいています。厚みの違うものを何枚か持っていて、量によって使い分けていますが、これをはいていれば軽い日などは特に、一度もショーツを変えなくても、不快感を感じません。それによりトイレに行く回数が減り、ナプキンなどへの出費がなくなり、精神的な負担も軽減。生理のツラくなるようなタイミングでは、気になって集中力が落ちたりしますが、そういうこともなくなりました」

ヨガをする時も、動きやすさが格段に変わるだろう。月経血の量や好み、上に着る衣類、季節などによって選べるショーツの範囲も広がっている。ヨガとショーツの両方の力で、生理から不快という言葉を切り離していけるようになるかもしれない。だから、もっと、生理の話をしていこう！

サニタリーショーツも普段と変わらぬオシャレを保てる

右：約125mlの吸水量がある吸水サニタリーショーツ「フルタイプ」¥6,600。左：吸水サニタリーショーツ「スタンダードタイプ」は約80mlの吸水量¥6,050。いずれもグレーとブラックから選べ、S、M、Lのサイズ展開。

トータルのおしゃれを提案する『emmi』。吸水サニタリ ーショーツの吸水パッド部分は五層。肌に触れる部分はメ ッシュ素材、次に特別仕様の吸水不織布、さらに防水布を2枚、表地は全方向に伸びる Tricot Fabric で、万全の備え だ。吸水不織布は吸水速度が速く、10 秒で平衡吸水量の 約 70%にも。多量の水を吸収し、多少の圧力でも離水し ない。クロッチ部分を少し太めに設定し、安定したはき心 地とスタイリッシュなミニマルデザインで快適に過ごせる。

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ライフスタイルに合わせてはき替えられる多彩なラインアップ

右から：超多い日でもスポーツができる約60mlの吸水量。夜＆超多い日用の「special」¥2,970。吸水量は約7mlのおりものサポートにオススメ「thong」¥2,090。ビギナーにオススメの「reglar」は昼用で、約30mlの吸水量。¥2,090。見た目はregularと変わらないが吸水量は約45mlと多めの「heavy」¥2,420。オシャレ感が心を明るく保つ「lace」は吸水量約30mlの昼用。スタートの一枚としても¥2,970。約75mlの吸水量はデイ用ナプキン5枚分ほど。夜＆超多い日用の「special+」¥3,740。

血量によって異なるが、12時間を目安に吸水するサニタリーショーツ。日本人の体と向き合い、フィッティングを大事にする下着専門店ならではのこだわりが詰まり、例えば吸水パッドは4層構造。肌に触れる部分は綿の混紡率が高い天竺生地、その下に吸収生地、さらに防水生地、伸縮性の高い生地と重なる。吸水、防水とあるために安心感は高い。

またはき込みの深さも特徴。XSから3Lまで6種類あるサイズ展開も頼もしい。商品部の奥村登代さんは「形、サイズ、価格で格差をなくすことを考えました。3枚で¥10,000以内なので、ナプキンを買い続けるよりは経済的です。防災の観点からも荷物を最小限に減らせると思います」と語る。

ラインアップを見ると驚くのはソングがあること。これは、生理終わりかけや軽い日、おりもの対策としての一枚だが、レギンスのお尻にもオススメ。「ちょっとした不快感を解消できると意外と人気なんです」。まずは一枚試してみると世界が変わる!?

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写真=中島聡美構成　文=大嶋朋子（Lotus8）