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ヨガをする人のための毒素をためない食事

どんなに理想的な食事であっても、自分に合っていなければ食べ物をうまく消化できずに、毒素をため込むことに。ヨガは体と心の浄化し、良質なプラーナを全身に巡らせる。

 

もっとヨガの効果を実感するためにも、アーユルヴェーダの知恵を借りて、自分に最適な食事を見直してみてはどうだろう。

 

毒素の原因は、体だけでなく心にも

 

毒素をためない食事とはどのような食事だろう。ヨガと姉妹関係にあるとも言われ、インドの伝統医学、アーユルヴェーダの知恵を借りて今回は考えていこう。

 

アーユルヴェーダはまさにデトックスの医学であり、毒素をためないスタイルを追求している。アーユルヴェーダにおいて毒素をためない食事とは、消化力に合った食事のことを指す。

 

食事法にこだわることは悪いことではないが、知識だけが頭でっかちになってしまうと自分に合わない食事を続けていることもある。

 

大切なのは、自分の体質を理解すること。その上で、自分に消化力に合わせた毒素をためない食事こそが自分に最適な食事と言える。つまり食事を考える上で“消化力”がカギになる。

 

アーユルヴェーダでは内科疾病、アレルギー、風邪、PMS、睡眠障害、精神的な病気、うつなどは、消化不良が原因だとしている。消化不良と言っても、肉体における消化だけを指しているのではない。

 

肉体の毒素は未消化物だが、トラウマや感情のわだかまり、ストレスは心の毒素になる。食べ物、経験、情報などを上手に消化できないのは内臓や精神の消化力が弱いから。上手に消化できる体と心を整えておきたい。

 

 

消化力を正しく知って体が求めているものを食べよう

 

消化力はアーユルヴェーダでは“アグニ”と呼ばれ、火のエネルギーを象徴している。火が小さいと、くべたものが最後まで燃えず、未消化物が残る。これが毒素のもとだ。

 

反対に、火が大きく燃えさかっている時に食べ物を適量食べないと、内臓の不調のもとに。その時の消化力に合わせて食べ物、調理法を決めることが毒素をためない食事のポイントだ。

 

そう考えると、決まり切ったルールを守らなくてはならない食事法は、消化力を無視しがち。常に消化力は変化しているのだから、その変化を見逃さないでほしい。

 

アーユルヴェーダが推奨する食事のポイント

食事の基本として、量の目安は両手一杯。その中に六つの味が含まれるようにアレンジするのが理想的だ。この中になるべく、甘・塩・辛・酸・苦・渋の六つの味が入るように工夫したい。

 

【甘味】

果物、米、芋類、牛乳、肉、油など。炭水化物が多めの日本食では十分に取れている味覚。むしろ取りすぎに注意して、他の味覚とのバランスを見よう。

 

【塩味】

塩、海藻・魚貝類などが塩味。食事の味つけはしょっぱい味が多いので、塩味は十分に取れていると言える。海藻類などさまざまな食材から取り入れて。

 

【辛味】

スパイシーな食べ物全般、ショウガ、大根、ニンニクなどが辛味。ショウガやニンニクは薬味として積極的に取り入れて。大根は冬の季節におすすめ。

 

【酸味】

チーズ、ヨーグルト、トマト、酸味の強い果物などが酸味。日本の調味料では酢が使いやすい。トマトを添えたり、酢の物を合わせたりして工夫を。

 

【苦味】

緑野菜全般、ゴーヤ、レモンの皮、ターメリックなどが苦味。小松菜やホウレン草など緑の濃い野菜をメニューに加えられるように心がけて。

 

【渋味】

クルミ、ハチミツ、ブロッコリー、カリフラワー、ジャガイモなどが渋味。意外と取り入れやすい食材なので、意識して選ぶようにしよう。

 

教えてくれた人=福田真理先生

ふくだまり。Dr.ヴァサント・ラッド師のもとでアーユルヴェーダを学び、日本人として唯一、米国ナショナル・アーユルヴェーディック・メディカル協会(NAMA)のプロフェッショナル・プラクティショナーの認定を受けているアーユルヴェーダ講師。Academy of Ayurveda主宰。

 

文=Yogini編集部