
マインドフルネスを理解すると瞑想はもっと楽しくなる!
マインドフルネスとは?
アップル創業者スティーブ・ジョブズをはじめ、ビジネスパーソンが取り組んだことで、その名が大きく取り上げられるようになったマインドフルネス。そもそもマインドフルネスとはどのような状態なのだろうか。
瞑想をしようと目をつむると、関係のない考えが次々と浮かんでくる…。このような経験をしたことがある人は多いのではないだろうか? これはマインドワンダリングと呼ばれ、過去や未来に思考が飛んで、まさに「心ここにあらず」の状態。
それに対して、マインドフルネスとは“今ここ”に集中している心のあり方を指し、マインドワンダリングの対義語として使われる。
情報過多の現代社会で、私達の脳は常にフル回転の状態。すると、“今ここ”に集中することが難しくなり、常にマインドワンダリング状態に…。結果的に、過去や未来のことに意識が引っ張られ、不安や恐怖、後悔などが次々に浮かび、精神が疲労してくるという悪循環に陥ってしまう。
裏を返せば、情報にあふれている現代社会こそ、意識的にマインドフルネス状態を作り出すことで得られる効果は大きい。そして、マインドフルネスの状態を高めるメソッドこそマインドフルネス瞑想なのだ。
マインドフルネス瞑想と瞑想何が違うの?
マインドフルネス瞑想は、禅の世界で行われている気づきの瞑想=ヴィッパッサナー瞑想から着想を得た瞑想法。では、普通の瞑想とマインドフルネス瞑想、違いはあるのだろうか。
一般的に瞑想とは、古くから禅やヨガなどで行われてきた瞑想を言うが、マインドフルネス瞑想はそこから宗教的な要素や、極端な精神性を取り除いたもので、誰でも気軽にできる心理的精神療法の一つだ。
マインドフルネス瞑想はマサチューセッツ大学医学大学院教授であり、同大のマインドフルネスセンターの創設所長であるジョン・カバット・ジン氏によって提唱された。彼は、マインドフルネスを医学に応用して、精神的なストレスを緩和することを目指し、彼のプログラムは学校、刑務所、病院など、社会のあらゆるシーンで活用されている。
マインドフルネスを論理的に理解する
瞑想のメソッドを抽出して、同様の効果を得ることを目指すマインドフルネス瞑想。科学的な研究も行われており、瞑想状態に入っていく過程の脳の変化もわかってきている。
瞑想を行うと、まず最初に訪れるのが前述したマインドワンダリング状態。いわゆる雑念が浮かんでいる時だ。雑念は取り留めもなく内側から沸き起こり、自分でコントロールできないため、この時点で瞑想が難しいと感じる人は多いかもしれない。
しかし、実際マインドワンダリングに入るのは脳の機能的に自然なことであり、それを知っておけば雑念も受け入れやすくなる。
そして次のステップが気づきの段階。「あ、今この後の予定のこと考えていた」などマインドワンダリングしていることに自分自身で気づくということだ。
そして気づいたら、また“今ここ”に意識を戻す。しばらくするとまた雑念が浮かんでくるが、気づき、今に戻る。これを繰り返すうちにマインドフルネスの状態に入っていく。瞑想を習慣的に行うと、マインドワンダリングと気づきの時間が短くなり、すぐに“今ここ”に集中できるようになるのだ。
形ないものを体系化することで見える世界
「ヨガのポーズを取るのは好きだけど、座ってやる瞑想は苦手…」と感じる人が多いのは、やはり変化が目に見えず、何が正解かわからないというのが大きいだろう。
当然、その状態では習慣化することが難しく、結果的に効果も得られず続かないという循環になりがち。
しかし、ヨガの数々のポーズも本来は瞑想につなげるために存在している。せっかくなら、瞑想に挑戦してみよう。その過程で、体系化したマインドフルネス瞑想のメソッドが役に立つに違いない。
文=Yogini編集部
ルーラル鍼灸整骨院院長・ルーラルヨガスタジオ代表。鍼灸師。あん摩マッサージ指圧師。柔道整復師(接骨師) 。インド政府公認ヨガ療法士。ヨガの解剖学.comを立ち上げ医療的効果の高い「骨盤ヨガ」、「経絡YOGA」、「筋膜リリースヨガ」、「整体ヨガ」、「ツボヨガ」を考案。現在オンラインにて20種類以上の講座を開催中。全国でも、ヨガ解剖学ワークショップ、ヨガインストラクター養成講座、整体マッサージのなどの講師活動を行う。柔らかい物腰と、笑いの絶えないわかりやすい講座は受講者から好評。