
『ミッション・ジョイ〜困難な時に幸せを見出す方法』
幸せはどこにあるのか?
デズモンド・ツツ大主教は話す「幸せは追い求めても見つからない」。ダライ・ラマ14世が続ける「幸せな人生、健康さえも、その根本は自分の中にある」。
この映画では、二人の宗教家が「どうやって人生を楽しくすることができるのか」を話している。お互いに「不幸なのは彼が仏教徒なこと」「残念なのは彼がキリスト教徒なこと」と、終始、敬意を込めて笑いながら。驚くべきか、やはりと感心すべきかは受け取り方かもしれないが、二人の宗教家の話はお互いに共通点と共感ばかり。信じるものは異なる形に表現されているかもしれないが、人としてどう在ると、気持ちよく生きられるのかは、結局同じということなのだ。
深い苦しみと悲しみを経験した二人
二人の宗教家はまったく異なる環境で育っている。ダライ・ラマは子どものころから宮殿で育ち、長年チベット仏教のトップの座につくべき学びを受けてきた。しかし後年、中国によるチベット仏教への弾圧により、たくさんの犠牲を出しながら、自分自身はインドへ亡命。1989 年に、非暴力的な手 段での平和活動が評価されノーベル平和賞を受賞。
デズモンド・ツツは南アフリカで生まれた。子どものころは貧困にあえぎ、また人種隔離政策(アパルトヘイト)による差別を経験してきた。後年は英国国教会ケープタウン大主教の座につき、1996年に引退後は、ネルソン・マンデラ氏(南アフリカ初の黒人大統領)より、アパルトヘイト時代の人権侵害の実態を解明する真実和解委員会の委員⻑に任命された。1984年ノーベル平和賞受賞。
この映画は、そうした困難な経験の中に見つけた、「ジョイ(喜び」の中に生きる方法を二人が話しているのだ。
喜びと幸せと思いやり
この映画を先んじて観た、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科教授 兼 慶應義塾大学ウェルビーイングリ サーチセンター⻑であり、「幸せ」の研究者として著書も多い前野隆司氏はこんな感想を送る。
「若きダライ・ラマ法王がチベットに亡命する場面や、デズモンド・ツツ名誉大司教が南アフリカのアパルトヘイトに対して闘う姿は、涙なしでは見られませんでした。
映画から受けられる「喜び」のエネルギー
とにかく、二人は終始笑っている。お互いに「お茶目な人」と評価し合い、周囲からは「8歳の少年のよう」だと言われる。そんな二人から広がるエネルギーは、それだけで周りをポジティブに塗り替えていく。この場にいること、この映画に出会えたことの「喜び」、そして二人が話す「喜びとは」という教え。もう、この映画が作られたことに対して、感謝しかない。
監督:ルイ・シホヨス 共同監督:ペギー・キャラハン
出演:ダライ・ラマ14世、デズモンド・ツツ
プロデューサー:ペギー・キャラハン、マーク・モンロー 製作総指揮:ダーラ・K・アンダーソン 他
配給:ユナイテッドピープル
2021年/アメリカ/90分/ドキュメンタリー
【Lotus8での上映】
8月29日(金)①16:00-17:30 ②19:00−20:30
1,500円(ミネラルウォーターつき)
お申込はSTUDIO+LOTUS BY YOGISの予約サイトからお願いします。