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ヨガ/ヨーガ/YOGA② ヨガの構成要素と種類

【ヨガを構成する三つの要素①】

ヨガを実践する時に大切なのは、アーサナと呼吸、瞑想の三位一体であること。三つの実践の状態が、適切にバランスが取れている時、より集中力が増し、ヨガで得られる境地に達しやすくなる。

□アーサナ (ポーズ)/体のすみずみまで扱えるように整える

ヨガは、瞑想により深い集中状態に入りたい。そのために体に気になるところがないように、また長く瞑想の姿勢を保てるように、アーサナで体を整える。

□呼吸/外界から離れ、内面に集中するための制御装置

呼吸は心をコントロールできる唯一の器官。呼吸に集中すると心をざわつかせる外界から離れ、呼吸を深めるほど、心は落ち着くという関係がある。

□瞑想/心身を落ち着かせ集中していく先に訪れる合一

瞑想に入れる条件は、心身に意識が向かない程度に整っていること、呼吸が安定して深く静かなこと。それによって集中が深まった時、無我の境地に至れる。

【ヨガを構成する三つの要素②】

ヨガを構成するもう一つの三位一体が、ボディ・マインド・スピリット。三つはつながっていて、独立しているものではない。三つがどれも健全で相互に関係していることが、理想的な在り方。

□ボディ/エネルギーの流れがスムーズな健全な体

パーツではなく、全身の部位の関係がバランスよく、お互いを補い合い、エネルギーの流れがいいことが大事。ヨガによってボディの詰まりをなくせると、理想とする健康でイキイキ として元気な状態になれる。

□スピリット/「本来の私」は唯一 、普遍的な存在で常に愛に満ちている

すべてが移りゆく中、唯一変わらないのが、誰もが持つ「本来の自分」。「本来の自分」は常にハッピーで優しく、愛に満ちている。自分がそういう存在であることは、ボディとマインドがクリアになることで気づくことができる。

□マインド/ネガティブさを手放し クリアでハッピーな思考

「本来の私」はいつもハッピー。ネガティブになりがちなマインド(思考)を手放し、ハッピーに転換できること、自分を客観視でき、振り回されないことも大事。ヨガは、ネガティブさを起こすマインドの濁りをクリアにする。

【古典に記されたヨガの種類】

ヨガにもいろいろな種類がある。現代のヨガはさまざまに枝分かれしてたくさんの流派があるが、流派以前は 6 種類のヨガが紹介されていた。

□ラージャ・ヨガ

ラージャとはサンスクリット語で「王様」。そのため「王様のヨガ」とも呼ばれる。八支足にしたがって、瞑想でサマーディに向かっていく方法が説かれる。

□クンダリーニ・ヨガ

尾骨のあたりにたまっている、体にある根源的なエネルギーであるクンダリニーの覚醒を目指すヨガ。チャクラを活性化していくアーサナ、呼吸法、クリヤーを行う。

□カルマ・ヨガ

教典『バガヴァッド・ギーター』で紹介されている。自分の役割を見定め、今目の前にあることを一生懸命に行う。そして、その結果に執着しない生き方の実践方法。

□バクティ・ヨガ

「信愛のヨガ」。『バガヴァッド・ギーター』内で紹介されている。神、または自身が信じる師、そして自分自身に、絶対的な愛や行動、思考などすべてを捧げる信仰的なヨガ。

□マントラ・ヨガ

1音節や1フレーズなどで構成されるマントラ。これを心の中、あるいは声にして唱える。その振動を心身に共鳴させ、乱れを整えていくことを目的としたヨガ。

□ジニャーナ・ヨガ

「知識のヨガ」。『バガヴァッド・ギーター』で紹介。悟りに至るために、哲学的にアプローチしていく。教典、知識、経験を基本とし、真の知性、知識に到達するのが目的。

【インドで始まったハタ・ヨガの流派】

今主流になっているヨガのほとんどはアーサナを行うハタ・ヨガ。ここでは、近代ヨガのルーツとなる四大流派を紹介。すべて世界的な規模で原型のまま広がっている。

□クリーシナマーチャーリャのヨガ

「現近代ヨガの父」と呼ばれる T. クリーシナマーチャーリャ氏が伝えたヨガ。一人ひとりに合わせてカスタマイズした、セラピー的な要素の高いアーサナ、呼吸法を教える。

□アシュタンガ・ヴィンヤサ・システム

シリー.K.パタビジョイス氏が創始したヨガ。呼吸に一つひとつの動作を合わせるヴィンヤサスタイルで行っていき、アーサナの順番が決まっている。自主練スタイルを導入。

□アイアンガー・ヨガ

ヨガマットなどプロップスを考案した、B.K.S.アイアンガー氏が創始したヨガ。厳密なアライメントを重視し、プロップスによって、体に負担のない呼吸、アーサナを行っていく。

□シヴァナンダ・ヨガ

西洋医学の医師であったスワミ・シヴァナンダが、西洋医学に加えられるように体系化し、まとめたヨガ。対位法、呼吸法、瞑想の三つを同等に重要なものとする。

【ライフステージや目的で分かれる現代のヨガ】

流派とは別に、ライフステージや個性に合わせて行うヨガを選べるのが、現代のヨガの特徴。いつでも誰でもヨガと出会え、深めていくチャンスが広がっている。

□マタニティヨガ

妊娠が安定期に入った時から行える。お産をより軽く、安全に行うための体力をつけ、日々 の不調や不安を軽減させることが目的。

□産後ヨガ

産後にバランスを欠いた体を戻し、緩んだ体を引き締めて、元の自分らしい体調に整える。 リラックスし日々のストレス解消にも。

□シニアヨガ

加齢により運動不足になったり、筋力が落ちた体を整える。参加者の状態に合わせ、イスに座ってできるなど、無理なく行える。

□キッズヨガ

成長過程にある幼児から小学生、中学生など年齢に合わせて、心身を整えるヨガ。運動能力や集中力を上げる効果に期待できる。

□アスリートヨガ

アスリートごとのニーズに合わせ、パフォーマンスを上げ、集中の中にもリラックスした 心身に調整していく。

□メディカルヨガ

医療の現場と連携し、疾患を経験した人のQOL(生きる質)を上げ、治癒力を引き上げる心身の補完をする。

□ハンディキャップドヨガ

ハンディキャップを持つ人達が、自分らしく健全な生き方をできるように、個々の能力を 引き上げ、心身を整えていく。

 

写真=樋口勇一郎