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知っているようで知らない ヨガでストレスが減る理由

ストレスとヨガの関係

日常のストレスから生じた不調がきっかけでヨガを始めたという人はとても多い。それくらい、世間一般的に「ヨガ=ストレスに利く」というイメージが定着しているが、なぜヨガはストレスに利くのだろうか。そもそも本当にヨガには心身のストレスを軽減させる効果はあるのか。

心身の両面、そして暮らしというより大きな視点でヨガとストレスの関係性について考えてみよう。

心と体に起こる反応

ストレスと体への影響についてまず知るべきは、脳内の視床下部とそれによってコントロールされる三つの働き(神経系、ホルモン系、免疫系)だ。

脳の視床下部からの命令で、神経系、ホルモン系、免疫系は働いている。この三つの系統は、健康にとって大切な恒常性(ホメオスタシス)を維持するのに重要。

しかし、現代社会は夜型の生活、膨大な仕事量、人間関係などさまざまなストレスにさらされ、自律神経のうち交感神経が優位な状態が続いたり、ホルモンバランスの乱れ、免疫機能の低下など、この三系統に乱れが生じやすい。結果的に健康に大きな悪影響が出てしまうのだ。

ここで活用できるのがヨガ。ヨガ後約2時間は、リラックス状態を作る副交感神経が優位な状態が続く。さらにストレスホルモンであるコルチゾールの分泌が減少。また免疫の機能を示す唾液中のSIgA値も安定する。さらにリラックスや鎮静効果をもたらす神経伝達物質の一種、GABAの値が増加することがわかっている。

つまり科学的視点から見て、ヨガは普段ストレスにさらされている心身の緊張をほどくのに効果的であることが明らかになっているのだ。

 

ストレスに効果的なヨガは?

自分が好きなヨガなら何でもいい、というのが答えだが、ここではもっと広い視野でヨガを捉えたい。

ヨガの効果は、体から心(ポーズや呼吸法を行うことで、気持ちが穏やかになる)と、心から体(ヨガ哲学や瞑想で日々の行動が変わる)の双方向のアプローチがある。

ポーズ以外でも、八支則のヤマ(人の嫌がることをしない)、ニヤマ(自分が整うことをする)、瞑想(心を空っぽにしてみる)など、さまざまなヨガを実践すれば、自然と心身が整いし、ストレスは軽減されていくだろう。

 

ライフスタイルまで変えるヨガの力

 

食生活の偏りや運動不足、喫煙、過度な飲酒などの悪い生活習慣はさまざまな病気の原因になる。でもヨガを始めると、レッスンの後「カフェに行こう」という時、ファストフードよりスムージーなど、より体にいいものを選ぶようになる。

ヨガで整った体に悪いものを摂り入れたくないという感覚や、心が整い、体が本当に欲しているものを、必要な分だけ求めるようになるからだ。

このようにヨガがきっかけで、食生活が改善され、生活リズムが整うなど、健康的なライフスタイルに変わっていく。

また、女性に多い冷えや便秘の症状は、交感神経が優位な状態が続き、消化管の動きが鈍くなっているのが原因の一つ。副交感神経の働きが優位になれば、消化管を含め、内臓の働きをよくすることができる。ヨガはストレスコントロールを可能にし、ライフスタイルから改善し、心身を元気にするのだ。

文=Yogini編集部