検索

ヨガをヨガたらしめている四つのエッセンス

ヨガとフィットネスの違い、説明できる?

ヨガとストレッチは違うと言うが、いったいどこが違うのだろうか? どちらも呼吸に合わせて体を伸ばすし、柔軟性も高まる。難しいポーズとなれば筋力も必要だが、これは筋トレや他のフィットネスとはどこが違うか説明できるだろうか?

確かにヨガをすると、体だけではなく、心までスッキリして穏やかな気持ちになり、他のフィットネスとは違った感覚がある。この経験的に感じるヨガの魅力は、どうやらヨガの背景を知ると、納得できそうだ。

ここでは、ヨガをヨガにしている四つの要素について掘り下げていこう!

Point1:ゴール

ポーズを行うエクササイズとしてのヨガは、なんと、あくまで“準備”だという事実を知っていただろうか? 何の準備かと言うと、“瞑想”のため。

しかし、“瞑想”がゴールだと早合点してはいけない。瞑想を重ねながら目指す境地がある。それは、“自分の内に宿る本当の自分(=真我)とつながること”。

体内には何兆もの細胞が調和して働いている。それは人智を超えた生命力。そういう力とつながるという大きなゴールがヨガの特徴の一つだ。

Point2:長い歴史

史学的には、瞑想やヨガ哲学の発祥は約5000年前のインドと言われている。しかし、インドでは「何万年も前からある」と修行者は語る。どちらにしろ、すご~く長い歴史があることは確かだ。

歴史の中でヨガは、時代に合わせ形を変えてきた。体を動かすハタヨガ時代はだいたい600年前から始まった短い期間の出来事なのだ。しかも当時の主なポーズはと言うと、パドマーサナ(蓮華座)やシッダーサナ(達人坐)、瞑想のための座位がメイン。

ヨガがエクサイズとしての側面を持ち始めたのは、近代に入ってから40年あまりしかたっていない。

本来のヨガは、長い歴史の中で、多くの偉大な人々が積み上げてきたエッセンスが詰まっているものなのだ。

Point3:哲学

ヨガという言葉には二つの意味がある。一つはメソッド(方法)を指し、もう一つは状態を指す。方法はポーズや瞑想のこと、状態とはゴールに至った状態のこと。

ゴールの“本当の自分(=真我)とつながる”状態に向かうために、体やマインドをどう使えばよいかを伝え続けているのがヨガ。

古の時代、聖者によって聖典が書かれ、また、それを勉強するために、新たな聖典が生まれた。後世には六つの学派が誕生したりもした。ヨガは単なるフィットネスではなく「どう生きるか」という学問なのだ。

Point4:目に見えないものの存在

ヨガの不思議は、エクサイズ目的で始めても、だんだんと性格が穏やかになったり、生き方が変わってくるところ。

その説明を求めると、チャクラやプラーナといった目に見えない世界の言葉が先生の口から出てきて、迷子になった経験はあるだろう。

しかし、私達の日常は見えない世界や力に満ちている。毎日朝が訪れることや、この体の仕組みだって不思議。精子と卵子が合体した瞬間から、勝手に細胞分裂を繰り返してこの体ができている。自分が作り出したわけではない。そういう力、宇宙の摂理が私達の内側にあるのだ。

そう考えたら、目に見えないものの存在に触れるヨガの壮大さに感動せずにはいられないだろう。

教えてくれた人=キミ
「スタジオ・ヨギー」エグゼクティブ・ディレクター。ヨガと瞑想を25年間研究。訪印32回。ヨガと瞑想指導者の育成、コース開発、ディレクションに情熱を注ぎ、普及に努める。監修するスマホアプリ『寝たまんまヨガ簡単瞑想」は200万DLを超える。blog:https://ameblo.jp/sirdihttp://www.studio-yoggy.com